サスポエマルション(SE)
サスポエマルション(Suspoemulsion、SE) 剤は、物理特性が大きく異なる2種類の有効成分から1つの製剤を構成するために用いられます。 フロアブル剤(SC)とエマルション剤(EW)の技術を組み合わせた処方です。
サスポエマルション(SE)のメリットは、複数の有効成分を配合して広い活性スペクトルを確保できること、タンク混合時の相性の問題がなくなることです。
サスポエマルション(SE)3つのメリット
- 溶解度や融点が異なる複数の有効成分を配合できる
- 有効成分の組み合わせにより、より多くの種類の病害虫を防除できる
- 相性の問題が起きがちな噴霧タンクでの薬剤混合が不要になる
サスポエマルション(SE)3つのデメリット
- 界面活性剤系は不溶性の有機固体と液体の両方に対応する必要がある
- 有効成分が水相/油相に部分溶解性の場合、安定性の問題が生じる
- 一般に多量の有効成分を含有するので、適切な界面活性剤を使用しないと長期安定性の問題が生じる
Formulator’s Toolbox(完全版)
サスポエマルション(SE)の処方
サスポエマルション(SE)の処方は必ずしも簡単ではありません。 凝集、結晶成長、合一などによる劣化を避けるために、高分子界面活性剤の使用をお勧めします。 求められる性能基準を満たす鍵は、アンカー結合とコロイドの安定性の向上にあります。
安定したエマルション剤(EW) の処方とフロアブル剤(SC) の処方を別々に開発するのがよいでしょう。安定した処方が完成したら、それらを組み合わせます。最終的なSE製剤の不安定性を軽減するために、できるだけ同一の界面活性剤を使用します。
サスポエマルション(SE)向けの推奨製品
SEを不安定にする共通の要因の多くは、高分子界面活性剤を用いることで解消できます。高分子界面活性剤は粒子や滴の表面にしっかり吸着して、それらの緊密な相互作用を阻止します。SC用のポリマー系とEW用のポリマー系は、なるべく化学的に類縁関係にあるものを選ぶべきです。したがって、多くのSEの開発にはAtlas G-5002Lは不可欠です。Atlas G-5002Lは乳化剤としても共分散剤としても作用し、両方の系を、重要な分画間の移行のリスクなしに安定性させることができるからです。
Atlas™ G-5002L
Atlox 4916は低HLB、高分子量の高分子乳化剤/非水系分散剤です。独特の「星形構造」を有し、油-水-粒子界面の強力なアンカー結合により、どんなに難しい処方条件のもとでも抜群の安定性を提供します。この独特の星形構造が、条件の厳しいSEの処方においてもAtlox 4916の優れた安定性を保証します。